専攻の紹介

人間科学クラス

~人の行動・心の仕組みを調べ、人間の理解に繋げる~

humanscience_01人間科学クラスでは、人間の行動や心の仕組みにについて科学的視点から研究し、これを通じて人間についての理解を深めていきます。このために、心理学の歴史、理論、統計的知識、調査や実験方法などについて多くのことを学びます。3年の段階で、興味・関心に応じて所属ゼミを決定し、人間の発達、認知機能、青年期の特徴と課題、人間関係と集団のダイナミックスなどの領域を中心的に研究を進めていきます。各所属ゼミで、自分で卒論テーマを設定し、データを収集・分析して、卒業論文に仕上げます。これら活動を通し、一つの研究をまとめる忍耐力、調査・実験を厭わない行動力が培われていきます。

特徴的な授業

認知臨床心理学

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この講義では、人間の情報の処理の仕組みについて、知覚・記憶を中心に講義します。まず健常な人の認知機能について基礎知識を得た後、では、それが障害されたらどのようになるか、認知機能の障害について、症例(ビデオや報告例など)を基に講義します。

発達臨床心理学

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乳幼児期は、ヒトの生涯の中で劇的な変化をとげる時期ですが、その発達を理解するためには、乳幼児の行動を丁寧に観察することが大切です。この授業では、その発達過程を概観するとともに、子どもたちの発達の様子を理解するための観察の視点について講義します。

心理検査法

心を科学的に研究するために、心理測定は必要不可欠です。この授業では、目に見えない心をどのように測定し、データを分析し、結果を考察するのかを学びます。具体的には、錯視実験、記憶実験などの初歩的な心理学実験や、性格検査などの調査を実習形式で行い、そのデータを分析し、考察することにより、心理学研究を行うための基礎力を身に着けます。心理学分野での卒業論文に取り組むために、「心理学入門→心理検査法→心理調査・研究法」と積み上げていく学習が大切です。

在校生からのメッセージ

現在、大学院で臨床心理士の資格を取るために頑張っています。人間科学クラスでは、「認知臨床心理学」「発達臨床心理学」等、様々な授業で心理学を体系的に学ぶことができ、現在にも役立っています。来年から仙台市職員の心理職として働くため、大学で学んだ知識を生かして、ますます頑張りたいと思います。

こんな人に向いています

  • 人間の心理や行動を科学的に研究したい人
  • 確かな心理学的知見を身につけた小学校教員を目指している人
  • 人間を理解する「難しさ」を知りたい人
  • 将来大学院や専門機関でより高度な研究を行いたいと考える人

卒業後の進路

大学院進学(福島大学、東北大学等)、小学校教員、中学校教員(数学)、特別支援学校教諭、公務員専門職(主として東北・関東圏)、公務員行政職(主として東北・関東圏)、医療・情報サービス産業、人材派遣企業、銀行、専門コンサルタント、化粧品メーカー、住宅関連会社 など

ゼミの紹介

富永ゼミ
青年期(主に中学生から大学生)は子どもから大人へと移行する時期であり、人生にとって重要な意味を持ちます。このゼミでは、青年期を対象に、質問紙調査や面接調査といったアプローチで、その心理や行動を明らかにしようとしています。3年生では各自が関心のある領域の論文を読んでまとめたものを紹介しあい、卒業論文のテーマを探していきます。4年生では個別指導とゼミ発表を繰り返して、卒業論文を仕上げていきます。扱うテーマは、友人関係、親子関係、進路発達、学校適応、アイデンティティや居場所感や恋愛などさまざまですが、青年期の発達について学び続けるゼミです。
飛田ゼミ
社会心理学ゼミでは、友人関係といった関係の力や、学級、家族、企業といった集団や組織の力について、主として実験的なアプローチから解明しようとしています。また、じっさいの社会を知るため、訪問調査など学内外での多様な活動を積極的に行っているアクティブなゼミです。
住吉ゼミ
このゼミには主に、認知心理学(記憶・推論・言語・認知発達)、及び臨床心理学(精神障害者や発達障害児の認知機能障害)に興味を持つ学生さん達に来てもらっています。3年生前期では、専門知識を身に付け、また各自の興味・関心を特定するために、心理学の概説書・専門書・論文を問わず自由に購読・報告してもらいます。後期から、前期で興味を持った内容に関する論文を読み込み、卒論テーマを絞りこんでゆきます。4年で卒論を仕上げますが、そのペースはさまざまです。どの学生もできるだけ無理なく卒論を作成できるよう指導しています。
高谷ゼミ
このゼミでは、発達に関係する様々な内容について、学んでいます。3年では、先行文献を読みながら、各自の研究テーマを絞っていきます。3年生後半からは、それぞれの問題意識に合わせて、行動観察や実験的な手法を用いた卒論研究を行っていきます。発達にかかわる問題は幅が広く、それぞれのゼミ生さんの発表を聞きあうことで、勉強になることも多いと思います。
木暮ゼミ
認知心理学を中心に研究指導していますが、心理学の実験法や調査法で実施可能な研究テーマであれば対応しています。3年時はゼミ生同士での論文講読や議論、研究法の実習が中心になりますが、この期間に自分自身の関心をまとめて、3年生の終わり頃には具体的な研究テーマ・方法を確定して、4年時の本格的な卒業研究につなげていきます。テーマは自由に考えていただきたいと思っていますが、具体的に実施可能な心理学の研究として成立させるためにはいくつか(いくつも?)ハードルがありますので、一緒に相談しながら進めていきたいと思います。
五十嵐ゼミ
主に企業や地域社会をフィールドに活動しているため、自律的に動けること、社会性を身につけていること、などを求めています。職場の厳しい現実問題に直面しながらそのサポートを意識した調査研究に取り組んでいます。

教員紹介

氏名 研究内容
富永 美佐子

青年期の進路発達とその支援

飛田 操

人間関係と集団についての心理学

住吉 チカ

認知機能の発達と障害について

高谷 理恵子

乳幼児の身体制御に関する発達