専攻の紹介

教育探究クラス

~〈教育〉〈学校・地域〉〈授業・教師〉に多角的なアプローチで迫る、探究心あふれる教育実践者を育てます~

educationalsearch_01教育探究クラスでは、〈教育〉〈学校・地域〉〈授業・教師〉について理論的な探究を大切な柱としています。教育・学校の制度や歴史、学校と地域社会とかかわり、授業のあり方や子どもに対する教師のかかわりを探究します。こうした探究を通して、〈教育〉〈学校・地域〉〈授業・教師〉の全体像が見えてきます。
また、教育の現場(フィールド)を大切にするのがもう1つの柱です。教育・学校や子どもの現実の姿とその〈深層〉を生き生きと理解するために、学校現場や地域へと学習の機会を拡げ、実践的な力を探究します。理論と実践を学習の両輪として子ども観・学校観・教育観を磨いていきます。

特徴的な授業

学校教育研究

学校教育研究教育探究クラスを担当する複数教員がリレー形式で、「学校改革はどうあるべきか」をテーマに、多様なアプローチから問題提起を行います。近年、地域に開かれた学校づくりが課題となっていますが、学校教育について考えるために知っておきたい様々な課題―「学校」が成立してきた歴史的経緯は?、学校の何をどう改革していくことが求められ、議論されてきたのか?、学校と地域社会はどのようなかかわりを目指していくのか?、授業を改革していくために何を考えておく必要があるのか?、授業改革を進める教師に求められることは何か?など―について、各教員の専門分野における先端的研究をもとに考えていきます。

教育社会研究・基礎演習

写真3写真2教育探究クラスでは、この2つの授業を通して2年次後半に2泊3日の学校参観実地研修と、それに向けたグループ別の基礎学習を行います。この実地研修は福島県内の小規模校を協力校として実施されてきた本クラスの伝統的かつ特徴的な研修行事です。学校や地域、授業や子どもの生活に関する調査研究を通して、学校・教育についての学習を深めるだけでなく、現実の「子ども」に関する十分な理解を深めていきます。実質2日間にわたる実地研修では、子どもの学校生活、家庭生活、地域生活が具体的にどのように展開し、そこにどのような喜びや悩み、課題があるか、さらにどのような教育的支援を必要としているかを、子どもとともに過ごす中から学ぶことを目指しています。

こんな人に向いています

  • ・教育・学校・授業の〈ふしぎ〉や〈はてな〉を理論的かつ実践的に研究してみたい人
  • ・子どもが好きで、小学校をはじめとする教職に将来つきたい人

卒業後の進路

公立小学校教諭(主な地域:福島県、山形県、宮城県、千葉県、神奈川県など)、国家公務員(法務教官ほか)、地方公務員(県庁、市役所等)、学童保育指導員、塾講師、一般企業(銀行、電機メーカー他)、大学院進学など

ゼミの紹介

谷雅泰ゼミ
colloquium_tani子どものしあわせを願わない親も教師もいません。それなのに、子どもや教育をめぐる問題が毎日伝えられています。いったい、どうすればいいのでしょうか?誰もが「被教育体験」を持っていますから、自分の意見を持っています。それはよいことなのだけれど、根拠もなくただ自分の思いを述べるだけでは正しい解決には至りません。このゼミでは、日本の教育の歴史を振り返ることによって、未来の教育を考える力をつけることを目標としています。決して、昔がよかったからではありません。しかし、未来を見通す力をつけるためには、歴史を知ることはひとつの方法なのです。
太田光一ゼミ
太田の関心は、西洋近代の教育思想です。古代ギリシャやローマの遺産を引き継ぎ、ルネサンスを経て、近代になって広がってきた人間観、子ども観、学校観などを研究しています。具体的には、17世紀のコメニウスや18世紀のルソーなどです。
阿内春生ゼミ
auchi-semi教育行政・学校経営ゼミでは、学校の組織運営や地方政府・中央政府の教育政策を扱っています。こう聞くと少し難しく感じますが学校や地域、国の教育を動かしている「仕組み」や「制度」を考えるゼミです。ゼミ生の関心は広く、様々な問題に取り組んでいますが、教育を動かす仕組みや制度に着目するというアプローチが大切です。
中田スウラゼミ
nakata教育社会学・社会教育ゼミでは、学校・教育と社会との関係を問いながら、子どもや青年・成人が展開する共同的な学習過程とその成長過程について研究します。具体的には、現代的教育課題の一環として、学校週五日制や地域教育、家庭教育、フェミニズム、青年・成人・高齢者の生涯学習など多様な問題関心に支えられながら、ゼミ生は主体的・意欲的に卒論テーマを設定し取り組みます。毎年、東北の各地で展開される社会教育実践を学ぶためゼミで出かけ合宿します。
松下行則ゼミ
matsushita-semi松下ゼミでは、様々な研究テーマで切磋琢磨しています。学校教育分野では、学級集団づくり、学校における子どもの遊び、教師と子どもの人間関係、不登校問題などに関心のある人、社会教育分野では、子どもの居場所としての学童保育、障害児と健常児の「共生」、子どもの遊びに関心のある人、大歓迎です。でも大切なことは、いつも「子ども」のそばにいて教育のことを考えます。現場(フィールド)でさまざまなことを「観察」することを大切にします。
坂本篤史ゼミ
sakamoto-semi授業論ゼミでは、主として授業における子どもの学びや子どもに対する教師のかかわり、働きかけについて、さまざまな教科や発達段階(学年)を対象に研究をしています。子どもたちが授業において友だちと協働しながら深く学べるようになるには、どのような問題を検討・克服していくことが必要かについて理論的に考察します。さらに、多くの教室でフィールドワーク(実地調査・授業の参与観察)を通して子どもの学びの現場に立ち会い、一人ひとりの学びの背景、意味を丁寧にたどる実践的研究も行います。授業をとらえる鑑識眼、子どもの学びをとらえる感性をゼミメンバーとともに磨きあっていくことをゼミでの主眼とします。

教員紹介

氏名研究内容
谷 雅泰

日本教育史。近代的学校の起源

太田 光一

西洋近代の教育思想研究

阿内 春生

教育の条件整備を考える

中田 スウラ

競争的学歴世界を変える生涯学習

松下 行則

道徳!好きですか。道徳って何?

坂本 篤史

教師の学びを促す授業研究のあり方