避難所から仮設住宅へ
9月から始まる第2期の子ども支援ボランティアについて、以下に述べておきます。
まず基本的な認識として、発災から半年近くが過ぎ表面的には落ち着きをとりもそしているかのように見える市民生活・子どもたちの生活ですが、実際には多くの困難を抱えたままの生活であるということです。
特に子どもたちは、これまでのボランティアの学生たちが述べているように、明るく元気に見えていても、深いところで傷を負っており、多くの悩みを抱えています。とくに、今後仮設住宅や借り上げ住宅での生活となると、個々の家庭が孤立状態に置かれるために、場合によってはこれまで以上に困難な生活に陥る可能性も充分あります。
そのような中で学生のボランティア活動は、鈴木副大臣の言葉を引くまでもなく、「子どもたちの心を開き、安定させる上でユニークな役割を持つ」大学生ということで、とても大きな期待が寄せられています。1000年に一度の国難ともいわれるこの時期に、何らかの形で子どもたちとかかわり、教育復興の力になってくれることを強く期待します。
子どもたちを救うには近道はありません。できるだけ長い時間をかけて、人間的なふれあいを通してしか、子どもたちの自信と元気は取り戻せません。これまで大学で学んだこと、あるいはこれから子どもたちとの活動で学んでいくことは、これから教職をめざす学生たちはもちろん、社会の中で活躍しようとしているすべての学生にとって、とても意義深いものになると思います。ボランティア学生のほぼすべての人たちが述べているように、子どもたちに元気を与えようと参加すると、逆に子どもたちから大きな元気を与えられます。
具体的には、これまで人間発達文化学類単独で行ってきた子ども支援ボランティア活動が、福島大学「うつくしまふくしま未来支援センター」の子ども支援部門の活動に移行します。活動内容は大きくは変わりませんが、これまで以上に物理的・人的な支援が充実していきます。
またこれまでは避難所を拠点にした支援活動でしたが、これからは仮設住宅や借り上げ住宅に住んでいる子どもたちを、集会所などで支援する活動に変わっていきます。
その内容も、学習支援や遊び支援、生活支援を柔軟に行いながら、子どもたちの自立を励ます活動へ質的に変えていく必要があります。子どもたち自身に、たんに「かわいそうだ」と思われる存在ではなく、「自分たちは社会の中で必要とされている」「自分たちは社会の中で役に立っている」ことを実感させるような活動を組み立てていきたいと考えています。
そのために、NPO団体や他大学とも協力して行っていくことになります。福島市や二本松市に支援拠点を設け、そこに専門のコーディネーターをおいて、学生の支援活動を支援してもらいます。近い将来、ボランティア専用のバスも配置される見通しです。
そこで、子ども支援ボランティアへの登録をお願いします。
特に、
- 新規登録
- 登録の抹消(今後活動できる見込みがない場合)
- メールアドレス等、情報の変更
の場合、必ず連絡を下さい。
2011年8月28日