仮設住宅子ども支援ボランティア(南矢野目)報告

今回から、仮設への移動は基本的に小型バスで行うことになったので、これまで心配していた「足」の問題はほぼ解決する。
ただ、バスだと小回りがきかないので、緊急時に対応できる車も準備しておく必要もあるかな、とも思う。

南矢野目仮設住宅は、前回行った笹谷東仮設住宅のすぐ近くにあり、たった二人の参加者ではあったが、どこかで見たことのある子どもたちだなと思ったら、やっぱり笹谷東のボランティアの時に参加していた小学生と中学生の姉弟であった。それに加えて二人のお母さんも参加され、約6名の遊びとなった。

学生の感想から

今回私たちのグループは参加した学生が3人と少数だっため、少し不安ではあったが、実際に行ってみると運よくその集会場にいたのは2人の子どもだけだったので、3人でちょうどよい感じだった。

初め子どもたちは、「一緒にカルタで遊ぼうよ」と声をかけても、「カルタは絶対嫌だ」と乗り気でない言動をとっていたが、カルタをテーブルの上に準備し始めると、すぐに集まってきてカルタが終わるころには、私たち学生よりも熱中して遊んでいる姿が印象的だった。

そのあとも誰もやり方を知らない億万長者ゲームを、子どもたちと一緒に説明書を見て考えながら遊んだり、普段の生活について子どもの話が聞けて、3時間はあっという間に過ぎた。普段の生活の話をするとたまに自分達が被災者であることを、思い出す場面もあったが、その中でも子どもたちが屈託のない笑顔を見せてくれたことが私には嬉しかった。

今回の活動を通して感じたのは、子どもには色々な子がいて、本当は遊びたいと思っていても素直になれない子もいる。
その背景に何があるのかを私たちは想像することしかできない。性格が原因なのか、被災による心の傷が原因なのか、他に個人的な原因があるのか…それを私たち学生が理解する努力をし、子ども一人ひとりとどうすれば上手く関係を築けるかというのは、今後も継続して活動を行っていく上で、考えていかなければならないと感じた。

また、今回反省した点は、子ども中心で遊びを展開したいと考えて、子どもの意見をほとんど全て鵜呑みにしてしまったことではないかと思う。
遊んでいる中で、カルタのルールがちゃんと伝わっておらず、子どもたちの都合のいいようなルールで遊びが進行してしまったり、ボードゲームをする際にも、子どもがテーブルに乗って危ない状況であっても注意せず、そのままにしてしまった。

勝負に勝つことが一番楽しいことではなく、皆(学生も含めて)で気持ちよく遊べることが一番楽しいことだということを、遊びを通して子どもたちに自然と理解してもらえることが、子どもたちの成長にもつながっていくと思う。

次回からは私たち学生が不公平を我慢するのではなく、子どもが間違ってしていることは注意して、学生自身が遊びを本気で楽しむことが、子どもたちにとっても私たちにとっても大切なことだと感じた。

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私は今回初めて活動に参加しました。

活動した地区は南矢目地区。学生の人数が3名ということで、対応できるかどうか不安でしたが、幸いにも今回集まった子どもの人数は2名だったので、十分に対応することができました。しかし次回以降、たくさんの子どもたちが集まると学生の人数がある程度いなければ対応することが難しくなると思いました。

活動の内容については、子どもの人数が2名ということで、大学生や保護者の方も一緒に遊ぶことができる「福島弁かるた」を提案しました。
当初は乗り気でなかった小学生のM君や中学生のMちゃんでしたが、遊びが深まるにつれて積極的に参加するようになり、福島という郷土のかるたであったことから、保護者の方も楽しんで参加しておられました。
活動の初めに「かるた」を全員で行ったことで、子どもたちと打ち解けることができたように思います。

子どもたちと話をしている中での印象に残った出来事です。
「誕生日は何月何日か。」を当てるといるゲームをしていた際、中学生のMちゃんから「3月11日は誰の誕生日でしょうか。」という問いかけをされました。私たち学生は検討がつかず、「わからないから答えを教えて?」と言うと、「正解は“東日本大震災”の誕生日でした。」と言われ、とても衝撃を受けました。

どのような思いからそのように発言したのかはわかりませんが、震災の話題に自分から触れ、であったばかりの学生に積極的に話すことで、その子なりに震災を受けとめようとしているのではないかと感じました。

今回の活動を通し、震災により子どもたちが受けた心の傷を間近で見たことから、大学生のお兄さん・お姉さんという存在が「なんでも話せる相手」となること、そして、普段吐き出すことのできない思いを吐き出せる場がこのボランティアの場になればと思いました。

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