学校支援プロジェクト遊び支援通信 No.8

学生が企画を進める 猪狩先生お見えになる

7月9日(土)に、磐梯熱海温泉「華の湯」に5回目の遊び支援に行ってきました。天気は晴れのち小雨。前回のあづま同様、今回のメインは、「三郎ごま」。「三郎ごま」のボンドを乾かしている間に、「ころころリレー」と「百面相せんべい」そして、前回できなかった「割り箸鉄砲」。

これまでは、私がすべてを指示して、学生が子どもと遊びおもちゃを作り、遊ぶというパターンでしたが、学生に少し任せてみようと思い、私はタイム・キーパーに専念し、先の4つの企画の説明と運営を学生に任せました。2人1組で交代で行いました。

また、川内小の猪狩先生が様子を見に来られました。猪狩先生とは、遊び支援の様子、川内小の子どもの様子について意見交換しました。その中で先生は、「川内小の子どもたちは、仮設に移ってから、表情が明るくなり、元気になりました。やはり、親が元気になると、子どもも元気になるんですね。」と語られました。

■参加学生ボランティア

5名(4年生1名、3年生4名 女子5名)

■参加者

5名(男子4名、女子1名 3年生3名、6年生2名)、全員、常連さん。

子どもは今日来ないかな 5名来て安心 次回で企画は最後

■内容

今日は、子どもは、ホテルの中で、子どもの声がしていない。華の湯には、ほとんど子どもがいない感じ。
1時30分直前になっても子どもは来ないので、「もしかしたら、今日は駄目かも」と思い、学生に、「ポリオミノパズルをやっていたら」と言って、30分すぎに、1Fに降りていくと、子どもの声が。常連さんの子どもが別の旅館から来てくれました。みんな富岡小の子どもたちでした。

子どもたちの表情、交わす会話などから、「日常」がそこまでやってきているような気がしました。

 「三郎ごま」「ころころリレー」「百面相せんべい」「割りばし鉄砲」、どれも楽しく、真剣に作り、遊びました。

「ころころリレー」は、前回のあづまの失敗を生かし、みんなで遊ぶことを初めてやりました。学生と子どもの混合チームで、約5mの距離を、ピンポンだまを小さな「おしぼり置き」で次の人に渡し、渡したら、列の最後に行って、と繰り返しながら、ピンポンだまを落とさないように、慎重にそして大胆に遊んでいました。

「百面相せんべい」は、せんべいを額の上にのせ、顔を百面相のように動かしながら、少しずつ、口のほうへ近づけ、落とさないようにして、口でキャッチすれば、せんべいを食べられるというもの。いろいろ、ゆがんだ顔があちこちで見られて、やっていても、見ていても、楽しめました。

「三郎ごま」は、コマ名人のM君が今回もダントツの一位。S君に「お前、コマだけは名人だな」と言われつつ、M君は、表情を余り変えないながら、自信がそうさせるのか、俺のを見ていろという感じで、コマフィールドの中で、コマを何度もまわしていました。子どもたちだけで競争したり、学生も混ざって競争したり、楽しんでいました。

 「割りばし鉄砲」(写真)は、子どもたちVS学生、あるいは、混合チームで的の打ち合い、真剣な顔がずらりとならんでいました。

磐梯熱海の企画は、23日で終わりになります。ホテル・マネージャーの増子さんお話では、もうほとんど仮設に移っており、夏休みになると、ホテル避難は解消されるようです。なので、次回の23日は、子どもたちは来ないだろうということでした。
しかし、「23日まで企画していたので、来て見ます」とお話をしました。「23日来られたら、温泉にでも入って行ってください。」と増子さん。「是非に!」とお答えし、23日で磐梯熱海の遊び支援は、終わることとしました。

この機会に、手労研大阪支部から送っていただいた、ポリオミノパズル(木組みで正方形をつくる)を5個、進呈してきました。今後、来られる子どもたちのためにと考えましたが、支援が始まったときに、すぐに持ってくれば、避難してきた子どもたちも遊べたのにと、反省しました。なぜ、そんな簡単なことが思いつかなかったのだろうと後悔しています。
遊びおもちゃをプレゼントすることに慣れていなかったり、遊び企画や学習企画に追われていたりして、冷静になれなかったんだなと思い返したところです。

■学生ボランティアの感想

今回は、5人の子ども達が集まってくれた。以前行った時と比べると、子ども達の表情が柔らかくなったように感じる。たぶん、毎回来てくれてるので、大学生にもなれて警戒心がとれてきたのかなと思う。
遊びは、三郎独楽、コロコロリレー、百面相せんべい、割り箸鉄砲をやった。子ども達は全て楽しそうに、そして本気でやっていた。子ども達が楽しそうだったからか、わたしもとても楽しかった。
また、今回から学生が主体となって司会をやった。まだ慣れてないのでぐだぐたしちゃったが、ただ参加するより、自分から積極的に活動できた気がする。今後は、事前の打ち合わせもしっかりしつつ、その場の雰囲気も踏まえつつ、より積極的に活動していきたい。

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遊びボランティアに参加するのは今回が初めてということで、こどもたちの様子や活動内容について今までどうだったかとても気になっていいた。
午前中は、実際に駒づくりや、各種ゲームを実際に行ってみて遊びのポイントなどをつかむことができた。自分たちでもこんなに楽しめるのだから、きっと子どもたちと一緒ならもっと楽しいし、子どもたちに一番に楽しんでもらえるように活動したいという想いがわいてきた。 今までは「学習支援ボランティア」として活動はしていたが、2時間もの間集中力が持つ子どもは少なく、途中遊びを始めたがる子どもも多かった。そのたびに、遊びを容認するか否かをすごく迷った。子どもの思いを大切にするなら、ここにきていること、そしてだれかとのつながりの中で遊ぶことを求めるなら、学習にのみ拘束させることは酷なことのように感じた。
でも、学習をしにきている子どもたちもいるし、その子たちの気持ちも考えなくてはいけないと思っていたので「遊びたい」という想いをどうにか学びにつなげたり、他の子たちに迷惑になったりしないように活動するようにしてきた。その思いもあって、今回はおもいっきり「遊び」ができるということでとても楽しみだった。

活動場所に着き準備をし終わると、予定の時刻に5人の子どもたち(男の子4人・女の子1人)が集まってくれた。学生も5人だったので、こどもを十分に看ることができたと思う。
学年が様々で、駒づくりや遊びの中で「差」が出るのではないかと思ったが顕著な差はみられることなく、高学年の子が下の子を見ていてくれて、声をかけ合いながら協力して活動している様子も見られた。
どの遊びも一生懸命に全力で取り組んでいる子どもたちの姿が見られたし、私自身も支援をしながら素で楽しんでいた。3年生のみんなも、自分でも楽しみながらしっかりと子どもたちの様子も把握していて、言葉がけをしたり一緒に活動したりする姿が見られ感心した。

異年齢集団での遊びを考えるときに、ポイントとなることは年齢の差を超えていかに一人ひとり自分に合った課題や、興味をもって集団全員で楽しめるかということだと思った。

今日の子どもたちの様子を見るとそれが達成できていたように思えたし、遊びの力ってすごい…と感じた。こうやって頭も身体も使って感情を表現したり、遊びを工夫したりする過程の中で、子どもたちの心は成長して行ってくれるのではないかと思う。

次回で磐梯熱海での活動は最後になる。夏休みということでさらに子どもの人数に関しては不安もあるが、参加してくれる子どもたちと一緒にたのしく活動し、子どもたちを支援するという意識をしっかりと持って行っていきたいと思う。

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旅館にあった七夕の短冊に「○○町に帰りたい」というようなものが、小さな子どもの字で書かれているのを目にして、胸が痛くなったし、「避難している」という現実が、実感として初めて、自分の中に入ってきたように思った。

こま作りでは、中・高学年の子どもたちが多かったせいか、想像していた以上に丁寧につくりあげていくことに驚いた。私が主にみていた男の子は、ほとんどのことがひとりでできていたので、できないことでも、すべてをやってあげるのではなく、やり方を教えたりして、次からは自分でもできるように手伝うようにした。

子どもたちのできること、できないことを見極め、すべてに手を出すのでなく、子どもたちが自分で考えてできる余地を残しながら、子どもたちの力が高まっていくように支援していくことが大事であると、改めて感じた。

とても楽しかったし、久しぶりに子どもたちと関わり、元気をもらえた気がした。

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