浪江に帰りたい」「友だちに会いたい」
【活動の概要】
16時20分 土湯温泉ホテル到着 会場(客室411)セッティング 準備
16時30分~18時 学習支援
18時05分 子どもたちの見送り、片づけ、撤収
【参加学生・院生】
計3名(女性3名)
【参加児童】
計5名(小学生5名)(男子3名、女子2名)
【参加学生による活動報告ならびに感想】
今回、前半は、Aさん(4年生)の学習支援に携わることができました。Aさんは、算数のドリルにじっくりと取り組むことができていました。Aさんのつまずきには、ヒントを小出しにして、考えたり、言葉にしたりする間を多くつくっていきたいと思いました。
後半は遊び支援となりました。トランプやかくれんぼを通して、友だちと交流したり、体を動かしたりしていました。
土湯温泉のロビーにあった七夕飾りの中に、「浪江に帰りたい」「友だちに会いたい」など切実な思いがつづられていました。元気に走り回ったり、遊んだりしている子どもたちではありますが、心の中では家のこと、震災のことを抱えているのかもしれません。
私は、そんな子どもたちに「現在(いま)」をしっかり生きてほしいと思います。友だちと話すこと、遊ぶこと、考えることに一生懸命になって取り組んでほしいです。そのための環境づくりが、ボランティアの役割の一つなのではと考えます。
今回は、宿題が終わっていた子どもたちが多かったので、一緒にトランプやかくれんぼをして遊びました。かくれんぼをやるのは、いいのだろうかと思いつつ参加していたのだが、他のホテルの人たちに迷惑が掛からない範囲で行い、子どもたちの願いが実行できたので良かったと思う。
子どもたちは、友達と遊んだり、話をしたり普段なら当たり前のように友達と放課後遊ぶことが、なかなかできにくい今、こうした機会は重要になってくると思った。
子どもたちも夏休みに入って、引っ越しをしたり、また大きな変化があると思う。いつまで土湯温泉ホテルに需要があるかは分からないが、一人でもこの学習の機会を楽しみにしてくれている子どもがいれば継続して支援、関わることができたら良いと思った。
わざわざ車で送迎してきて来てくれている子どもがいる一方、保護者の方には、この時間の存在を十分理解してもらえていない話も少し聞いて、このような場を作る難しさを改めて感じた。
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ボランティアを体験した感想ということで、簡単ではありますがまとめてみました。
最初は自分に何かできることがあるのだろうかと不安を抱えていたが、子供たちが遊びや勉強に夢中になっている様子を見て、逆に自分が元気をもらえた。
そして、子供たちを主体にして自分たちがそのサポートをするような形のボランティアだったこともあり、気負いしたりすることもなく楽しく活動ができた。子供たちの笑顔を見ることができて、とても良い貴重な体験になった。
【引率教員による活動報告ならびに感想】
今日はいつも参加している子どもたちの中に体調不良の子どもが複数いることを聴いたため、全体としての参加者は少なかったが、宿題に取り組む子ども、宿題を終えてから参加する子どもとが同じ空間でそれぞれに活動できていた。
学生の感想にもあるが、ロビーに七夕笹飾りがあった。活動場所にいつも顔を見せる子どもたちが書いた短冊もあったが、私たちがホテルに行った際にはそのようなそぶりは見せず、明るく元気に活動している一方で、切なる願いがことばとなって綴られていることに胸が詰まる思いがした。
当たり前のことであるが、改めて子どもたちが震災から4か月経って今なお厳しい状況に置かれている現実を思い知らされた。
これからの活動体制など再考すべきことはたくさんあるが、一人ひとりの参加児童がこうした思いを胸に抱えながら生きていることを根っこに据えた息の長い活動を展開していきたいと強く感じた。(以上)
2011年7月14日