ビッグパレットふくしま・子ども祭報告(7/16)

総勢21名のボランティア

そのあまりの悲惨な現状に、新潟の復興支援センターから派遣されてきたIさんが、「新潟にもこんな避難所はなかった」と絶句していたここビッグパレットふくしまも7月も下旬を迎え、当初2000人を超えていたと思われる避難者も、400人台にまで減りました。

学習支援ボランティアを始めると子どもはどんどん減ってしまって休止せざるを得なくなり、その子どもたちを集めようと始めた餅つき大会も,集まってくるのは老人ばかり、それも予想外の人気を博し、2回も行う羽目に……、と、ことごとく想定外の事態にさらされ続けたここでのボランティアも、終盤となりました。

そのボランティアはボランティアセンター主催「子ども祭」のサポート。何度か打ち合わせを重ねたものの、われわれのボランティアの力があてにされているのかされていないのか,全く推測できず、つい1週間前になっても、どれだけの仕事にありつけるのかも不透明なままでした。

ただ「子ども祭のサポート」というあまりハードルの高さを感じられない中身なので、これまでボランティアを体験していない初心者には最適と考え、幅広く募集を行うことにしました。

その結果、学類の2年生から大学院の2年生まで、それも初心者から現職教員を含めたベテランまで幅広い層にわたって21名を組織することができました。これなら、ビッグパレットふくしまボランティアとしては胸を張って参加できる数です。

しかしながら、またしてもどのような想定外の事態が待ち受けているのかわかりません。もしかしたら、仕事が何もないとか、期待されたような子どもが集まらないとか十分に考えられます。不安なままに当日を迎えました。

昼前の11時45分に集合をかけましたが、もうこの時点で気温は35度前後まで上がっており、屋根の下で行うにしても殺人的な猛暑が予想されました。郡山市に向かう車の中で体調を崩してしまう学生も出てきます。

一足先に到着していた学生たちは、われわれに会うや「先生、仕事にありつけません。」と言ってきます。
1時から準備の予定がもう既にかなり準備は進んでいて、それも業者が進めているので素人の学生が手を出す余裕もありません。
4時のオープニングまでにやった仕事らしい仕事は、「ガチャガチャ」のクジつくりとゴミ箱つくりのみ。
4時近くになってやっとボランティアの足並みがそろったところで,ボランティアセンターから役割分担が与えられました。

この日のボランティアの総勢は50名、うち福大組は20名。特別試写会の「実写版・忍たま乱太郎」に関連したブースが三つと、たこ焼きブース、焼きそば・フラッペブース西日の激しく照りつけるドリンクコーナーが福大のために与えられました。

4時過ぎに,高らかに子ども祭の開会が宣言されると、会場はたいへんな数の参加者に埋め尽くされます。
大学院生グループも到着し、ドリンクコーナーでボランティア活動が始まりました。

食べ物コーナーには予想通りの長い列ができ、ガスコンロの熱が気温と西日の暑さに拍車をかけ、立っているのもつらくなってきます。それでもお客さんの列は途切れることなく続きます。

「忍たま乱太郎」のコスプレ写真撮影のコーナーは、かわいらしい子どもたちがやってきては忍者姿となり、報道陣の人気を集めていました。

いつの間にやら学生も忍者姿になって会場で勧誘しています。当初、塗り絵コーナーで忍たま乱太郎の塗り絵を行っていたのはなぜか老人ばかりでしたが、30分も過ぎると子どもたちが取って代わりました。

手裏剣コーナーでは、仮面ライダーなどのフィギアを狙った子どもたちが何度も何度も挑戦していきます。

日が傾きじりじりと照りつける西日はさらに強力になり、補給用の水分も底がつき、慌てて外に出て調達する始末。当初「ボランティア数が多く、暑いので2交代制にします」と始まったボランティアでしたが、とても休めるような状態ではありません。

7時になってようやく「忍たま乱太郎」の試写会が始まる頃には,会場は半分ぐらいになります。
「忍たま乱太郎」関連企画グループの学生は子どもたちと一緒に試写会を楽しみます。
子どもたちよりもうちの学生が楽しみにしていたように見受けられます。

一方のたこ焼きグループは、企画している側が関西の本場物を提供するという熱いボランティアスピリットを持っていて、材料がなくなるまで焼き続け提供し続けると言います。

長蛇の列の中には、毎週子どもさんを学習支援に連れてきていたAさんの姿、そして餅つきというと献身的にお手伝いしてくれたKさんの姿も。「教員採用試験は終わったんですか? いつ結果はわかるんですか?」と相変わらず学生を気遣ってくれています。

富田地区の仮設住宅に入ることはできたものの、仕事はまだ見つからず、見通しが持てないという点では何ら変わりありません。

発達障がいを持つ女の子はすっかりと学生になじんで離れず、「問題児」の女の子も表情は硬いままに楽しんでいた様子でした。一見普通の、大盛況の子ども祭に見えるこの会場は、紛れもなく大震災避難所の避難者のための子ども祭です。見た目の華々しさとは対極にある避難者たちの苦しみや悲しみに思いをはせると、ふと我に戻ります。

「実写版・忍たま乱太郎」の冒頭では、主役の加藤清史郎君や八宝斉役の松方弘樹さんらのメインキャストの一人ひとりがスクリーンの向こうから「ビッグパレットふくしま、勇気100%!」とかけ声をかけて来て、そのたびに会場から大きな拍手が起こります。
なんとビッグパレット上映用のオリジナルバージョンだったのです。確かにこれはすごいことだと思いました。

9時過ぎ、まだ避難所を見たことがないという院生たちと会場内の居住スペースを見て回りました。
 発達障がいの女の子が案内役です。ここに来る度に段ボールの「街」の「更地」は広がり、「賑わっていた頃」を思い出すと寂しくなりますが、それは紛れもなく避難者たちの「希望」の姿なのだと考えたいと思います。

9時半近く、試写会も終わり、福大生グループの記念写真を県庁アドバイザーの天野さんに撮ってもらい、一本締めですべてが終了しました。

「仕事にありつけなかったらどうしよう」という不安ではじまったこのボランティアも、終わってみれば、猛暑の中5時間以上立ちっぱなしでたこ焼きを配ったメンバーをはじめとして,この大盛況の子ども祭をしっかりと支えたスタッフになっていて、天野さんからも感謝の言葉をいただくことができました。福大ボランティアがいなければ、できなかったお祭りでした。

やっぱりビッグパレットふくしまは「想定外」が似合うなあ、と思いました。

【学生の感想から】

今回初めてボランティアに参加しました。

どんなことをするのか全然分からず不安なまま会場に着きました。
映画のチラシを配りながら初めて避難所の様子を実際に見ました。個人のスペースは狭く、プライバシーも十分に守られない場所で何ヶ月も生活している方がまだまだいることに驚きました。そして自分に出来ることがあるならやりたい、少しでも何か役に立ちたいと改めて思いました。

今回は、焼きそばとかき氷を作る補助で私でも出来ました。ありがとうと言ってもらうえたのがうれしかったです。遅かったかもしれないが今回参加して本当によかったです!

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今回ビックパレットの子ども祭りのボランティアに参加して、子どもたちの笑顔をたくさん見ることができよかったと思います。

大きなイベントでのボランティアに参加するのは初めてだったのですが、福大だけでなく多くのボランティアの方と交流する機会にもなりました。福島などの被災地を思って遠くから来てくれる人たちがたくさんいるので、福島にいる私はもっとボランティアなどに参加して少しでも被災者の方の力になれるように頑張りたいなと思いました。

また機会があればよろしくお願いします。

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初めてのボランティア活動に、初めて避難所を目の当たりにしました。被災してから4ヶ月経ったけれど、元の生活に戻れない人はまだまだいるなと感じました。また、思うように言葉を発せない方が多くいたように感じました。

会場には多くの人の善意がありました。私がその一員として僅かながらも力になれて、「ありがとう」と感謝の言葉をかけていただいて、参加して良かったと思います。なにより子どもたちのたくさんの笑顔を見れて良かったです。

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こうやって全国各地からわざわざ福島まで出向いて、ボランティアを行うという人の温かさを改めて実感しました。

たこ焼き屋は体力的にきつかったですが 、関西の人たちと一緒に仕事する機会がもてて光栄でした。たこ焼きも焼かせてもらって楽しかったです。
また、たこ焼きを貰っていく人たちの笑顔をみて今日来て良かったなと思いました。

子どもと触れ合ったり、映画をみたりすることができなくて残念でしたが、それ以上の経験ができたと思っています。このボランティアに携われたことを誇りに思います。お疲れ様でした。

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私はぬりえコーナーの手伝いをしていたのですが,最初は日陰を理由におじいさんやおばあさんが飲食をする休憩スペースになってしまいました。ですが時間が経ち,徐々に映画のブースに子どもたちの姿が見られ,関わりあうことが出来ました。

ぬりえをしている子ども達への声かけに戸惑うこともありましたが,祭りでもらった景品や途中に登場したヒーローの話をすると子どもたちは嬉しそうに自分の話をしてくれました。またスタッフのみなさんとも打ち解けることができ,一緒にお祭りを盛りあげるという貴重な経験をすることが出来ました。

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昨夜は自分たちのためにボランティアへ参加したのですが、予想以上に楽しい時間を過ごさせていただきました。

持ち場も中年の体に優しいブースで、激務をこなす学類生に申し訳なかったです。
夏祭りだけボランティアに参加した私たちには、想像もできない、今までのスタッフの苦労があってこそ、昨夜の姿なんだと思います。
ド素人ボランティア集団の私たちにも声をかけていただけて、本当にありがとうございました。

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「ちょっと目つぶってて」と子どもに言われて、私は目をつぶった。「いいよ」と言われ目を開けると、忍たまぬり絵の乱太郎、きり丸、しんべえが手にビールをもっているではないか!!

私はぬり絵コーナーのお手伝いをしていた。そこに2人の姉妹が来てくれ、私は姉妹と一緒にぬり絵をしていた。
お姉ちゃんの誕生日は3月11日だということ、2人の通う小学校が地震で被害を受けたため今は違う小学校に行っていること、2人の将来の夢のこと、、いろいろな話をしてくれた。短時間でも、一緒にぬり絵をしたことで、話しやすくなったのではないかと思う。

ビールの絵を描いてくれたのはお姉ちゃんだった。にこにこしながら言ってきたため、何をしようとしているのかなと思ったが、まさか忍たまにビールを持たせるなんて考えもしなかった。お姉ちゃんのにこにこした表情が忘れられない。

また、その姉妹はなんとぬり絵コーナーに2時間もいたのだ。ぬり絵をとても丁寧にぬり、ぬり絵を終えてからも仮面ライダーのフィギュアで遊んだり、カードゲームしたりしていて帰ろうという様子は感じなかった。姉妹にとってぬり絵コーナーが楽しいものであったなら良いなと思う。

今回のボランティアに参加して、子どもたちの笑顔を見ることができて本当に良かった。

どういったボランティアのあり方が望ましいのか試行錯誤だが、子どもとかかわる上でやはり「一緒にやる」ということがひとつ大切なのではないかと、今回姉妹との活動を通して強く感じた。

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