大学院

学校臨床心理専攻(臨床心理領域は「公認心理師」受験資格のカリキュラムに対応)

学校臨床心理専攻は、人間発達文化研究科の昼間・夜間同時開講で行う独立専攻の大学院です。

子どもの問題行動や精神疾患・障害への心理社会的ニーズに応えるとともに、広く学校教育や専門機関、地域福祉等のヒューマンサービスに携わる社会人、そしてこれからそれらをめざす人々を対象にしています

目的

本専攻では、学校臨床、とりわけいじめや不登校、非行、あるいは発達障害などの特別なニーズを持つ子ども・青年やその家族に対応する効果的な指導・援助・支援を行うために、学校、家庭、地域、専門諸機関等が相互に連携する臨床的方策について、学習・研究を行います。

高度な知識や能力、技能の習得という専門性、ならびに学校教育と心理臨床や福祉、保健、医療、司法、矯正保護等とを結びつける統合性という2つの観点から、教育関係者の実践力向上や援助専門職(臨床心理士、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー、学校心理士等)の人材養成を行います。

受験から卒業まで

  • ・入学試験は、2つの領域ごとに個別に行います。
  • ・臨床心理士・公認心理師の資格の取得を希望する者は、臨床心理領域を受験してください。
  • ・3年以上の教職経験者は、英語科目の受験が研究業績等により代替可能です(事前提出が必要です。詳しくは入試課まで問い合わせてください)。
  • ・3年以上の教職経験者は、実践記録レポートの提出と面接を行う「現職教員特別入試」が新設されました(学校福祉臨床領域のみ)。
  • ・2つの領域どれからでも同種の授業科目を履修することができます。(臨床心理領域のみ受講できる科目があります。)
  • ・昼間の教職教育専攻と地域文化創造専攻の科目も履修できます。授業科目・内容は大学のホームページでシラバスをご覧ください。

臨床心理領域

臨床心理は、こころの悩み、問題行動、精神疾患・障害を理解し援助する実践活動です。そこにはさまざまな臨床活動があり、教育臨床は、児童・生徒、保護者に教育相談を行い、円滑に学校生活を送れるよう教師を含めて援助します。発達臨床は、子どもの発達上の偏りや遅れを扱い、病院臨床は子どもと成人の精神障害を対象にします。少年非行や犯罪、虐待、ひきこもり、子育てなどへの心理臨床的アプローチも重要です。

これらの臨床を病院や専門機関での臨床実習で学びます。また、附属の臨床心理・教育相談室での面接、グループワークであるフレンドルーム、家庭訪問活動であるメンタル・フレンドなどにより臨床実践を積み重ねます。本領域は、第1種の臨床心理士養成大学院として指定されていますが、スクールカウンセラー、病院、学校臨床(スクールカウンセラー)、児童相談所、警察の少年や被害者相談、法務省の心理技官、保護観察官・法務教官等の専門家として実践できる人材の養成を目指し、そこで学んだ知見を学校教育の実践に生かします。

なお,臨床心理領域においては、2018年度より「公認心理師」資格の受験資格取得に必要な科目を開講します。2018年度の入学者から公認心理師の資格取得を目指すことが可能となります。

公認心理師受験資格に必要な科目の読み替えについて
修了生用 公認心理師カリキュラム科目読み替え一覧

学校福祉臨床領域

学校福祉臨床は、子どもの生活や学習の全体性を踏まえ、学校、家庭、地域の共同に着目し、子どもの発達支援、家族支援、学習支援の創造に関心のある教員、スクールソーシャルワーカー、社会人、学生の研究・教育やスキルアップをめざします。その際、以下のような三つの柱をコアとして、受験生のニーズに応えます。

第1に、生活指導や教育相談、学級経営などをめぐる諸問題に対して、予防的で開発的な指導・援助の方法、内容、価値、システムに関する社会臨床的研究を行います。第2に、学校や教育機関等で従事する「スクールソーシャルワーカー」の人材育成や教育と福祉のつながりをめぐる実践的研究を行います。第3に、教育実践の土台となる教育経営や学校経営の充実をめざす研究とともに、子どもの「学び」に着目したカリキュラムの開発、経営・評価・並びに授業臨床を通し、授業の創造に関わる実践的研究を行います。