第89回国展 人間発達文化研究科を修了した根本春奈さんが新人賞を受賞

 第89回国展(4月29日〜5月11日 国立新美術館)において今春、人間発達文化研究科を修了 した根本春奈さんが新人賞を獲得しました。
 作品題名は「貪食」。テラコッタ(焼いた土の意)で成型された110㎝×90㎝×150㎝の 大型作品です。
 掌中に街を抱え、足元には雲が、頭には蓮の花を頂く貪婪な生き物が、街をひと飲みにする様子が表現されています。
 在学中に大きな災害に遭遇しながら黙々と制作を続けた作者の作品を通しての想いは、鑑賞者それぞれの感性によって様々な広がりを感じさせるものになっているように思います。
 テラコッタによる大型作品は成型が困難ですが、それをまとめあげ、さらに制作行程のなかから思いがけない表現効果を拾い上げる作者の感性も大きく評価された作品 です。

根本春菜 貪食